IPXとは?スマホの防水・防塵耐性について紹介意外な落し穴も!
スマートフォンの耐久性能として、「IP~~」といったものがあります。
具体的に、どのような性能で、私たちがスマートフォンを利用するときにどのように意識する必要があるのでしょうか。
今回は、スマートフォンのIPX、防水・防塵耐性やそれぞれの段階について、そして、最高性能であるIPX8やIP6Xでの注意の必要性についてご紹介いたします。
IPXとは?
「IP~~」というような表記がスマートフォンにはされています。
これは、IP(International Protection)のことを指し、2003年に国際電気標準会議で定められた、精密機器の水や固形物に対する保護性能を表しています。
この「IP」コードは、防水・防塵の両方を表記する場合とそれぞれ一方の性能のみを表記する場合があり、「IP68」といったように表記します。防水性能は、「IPX0」~「IPX8」までの9段階の等級で、防塵性能は、「IP0X」~「IP8X」までの9段階の等級で、IPXに続く数字が大きいほど性能が高いです。
また、「IPX3/IPX7」について、等級が複数記載されていると、複数の性能テストに合格したことになります。
防水耐性について
防水規格 | 保護の程度 | テスト方法 |
IPX0 | 水の浸入に対して、保護が全くされていない | テストなし |
IPX1 | 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響は受けない | 200㎜の高さより3~5㎜/分の水滴を10分噴射する |
IPX2 | 垂直より左右それぞれ15度以内の雨による影響を受けない | 200㎜の高さより垂直から15度の範囲3~5㎜/分の水滴で、10分噴射する |
IPX3 | 垂直より左右60度以内からの降雨によって有害な影響を受けない | 200㎜の高さより、垂直から60度の範囲10L/分の放水で、10分噴射する |
IPX4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない | 300~500㎜の高さより全方向に10L/分の放水、10分噴射する |
IPX5 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない | 3mの距離から全方向に12.5L/分・30kpaの噴流水、3分間噴射する |
IPX6 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない | 3mの距離から全方向に100L/分・100kpaの噴流水、3分間噴射する |
IPX7 | 既定の圧力、時間で水中に没しても水が浸入しない | 水面下・15㎝~1m、30分間浸ける |
IPX8 | 水面下での使用が可能 | メーカーと機器の使用者間の取り決めによる |
IPX0
水の浸入に対して、防水機能を兼ね備えていないことを意味しています。防水機能を持たないため、水にぬれると故障するリスクが高いです。
ただし、商品の詳細欄に記載されることは少ないです。
IPX1
IPX1は、最低限の防水機能で、垂直に落ちてくる水滴による影響を受けないレベルを示しています。一般的に雨だれであれば、水漏れによる故障を防げますが、防水性に優れた機能を示してはいません。
IPX2
IPX2は、垂直のみならず垂直から15度以内の角度がついた降雨から機器を守ってくれる程度の防止機能として十分発揮します。雨などによる水没には気をつけましょう。
IPX3
IPX3は、垂直より60度以内からの雨でも影響を受けないレベルの防水機能を備えていて、一般的にはここまでが防滴に属します。IPX1やIPX2よりは、水による故障は防げますが、防水機能が高いとは言えません。
IPX4
IPX4は、様々な方向からの水の飛沫から機器を守ってくれるレベルで、防水機能ありと呼ばれる数値です。
水に強いイヤホンやカメラに搭載されていて、濡れた手で触ったり水が跳ねるキッチン周りやお風呂で使える防水機能付きのスピーカーに搭載されているなど、幅広く機器に防水機能を備えています。
IPX5
IPX5は、様々な方向からの3メートルの距離から水の噴射に影響を受けないレベルの防水機能を示しています。
突然の雨に遭遇しても故障しないレベルでもあり、水中に落ちたらすぐに取り出せば問題なく使えます。IPX5以降の防水力は、完全防水の扱いとなります。
IPX6
IPX6は、あらゆる方向から水を強く噴きつけても、故障しないレベルで、完全防水の機器と呼ぶことができます。
2.5メートルから3メートルの位置から毎分100Lもの水をかけても耐えられるので、極めて防水性能が高いことを示しています。イヤホンやスマートフォンなどに備えられることが多く、IPX6であれば水没による故障は中々起きません。
IPX7
IPX7は、15センチから1メートルの水面下でも、30分間の耐久性が保証される防水機能を意味しています。
このレベルの防水機能があれば、イヤホンをつけたまま泳いだり、お風呂に入ることができるようになります。
IPX7の防水機能を兼ね備えている代表的な機器に、AppleWatchが挙げられます。
時計をつけながら、海で泳ぐこともできるため、浜辺でのレジャーでつけられます。
IPX8
IPX8は、防水機能としては最高レベルのものを意味しています。
常温の水道水の中で、水深1.5メートルに携帯電話を沈めて、30分間浸水しても、問題なく使用できるほどです。
防塵耐性について
防水規格 | 保護の程度 | テスト方法 |
IP0X | 保護が全くされていない | テストなし |
IP1X | 手の接近からの保護 | 直径50㎜以上の固形物体(手など)が内部に侵入しない |
IP2X | 指の接近からの保護 | 直径12㎜以上の固形物体(指など)が内部に侵入しない |
IP3X | 工具の先端からの保護 | 直径2.5㎜以上の工具先端や固形物体が内部に侵入しない |
IP4X | ワイヤーなどからの保護 | 直径1.0㎜以上のワイヤーや固形物体が内部に侵入しない |
IP5X | 粉塵からの保護 | 危機の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なうほどの量の粉塵が浸入しない |
IP6X | 完全な防塵構造 | 粉塵の侵入が完全に保護されている |
IP0X
IP0Xは、防塵機能のテストもせず、明らかに防塵機能がないとされるレベルの表記です。
IP1X
IP1Xは、手の接近からの保護、直径5センチメートル以上の固形物体(手など)が内部に侵入しない程度のレベルです。防塵機能は決して高くありません。
IP2X
IP2Xは、指の接近からの保護など、直径1.2センチメートル以上の固形物体(指など)が内部に侵入しない程度のレベルです。防塵機能は高くありません。
IP3X
IP3Xは、工具の先端からの保護が可能な防塵性があります。直径2.5㎜以上の工具先端や固形物体が内部に侵入しない程度の隙間しかありません。
IP4X
IP4Xは、直径1.0㎜以上のワイヤーや固形物体が内部に侵入しない程度の防塵性があります。
IP5X
IP5Xになると、動作に影響を及ぼすような粉塵が内部に侵入しないほどの隙間しかなく、防塵性能は高いです。
IP6X
IP6Xは、対塵性があり、内部に粉塵が侵入しないほどの性能があります。しかし、電子機器によっては、砂や泥に対抗できないものもあるため、注意が必要です。
IPX8やIP6Xでも注意が必要!?IPコードが保護の対象にしていない条件
防水性能や防塵性能を持ったシートは熱に弱いことが多いです。
耐熱性は電子機器には欠かせられない重要な耐久機能の一つですがIPコードの保護対象に含まれていません。
夏場などにスマホが熱くなったりお風呂などの温水に使ったりした場合、耐熱性が低いと、シートが剥がれたり、溶けてしまうことが考えられます。
そのような場合に、防水性能や防塵機能は損なわれる可能性があるため、防水性能や防塵性能不足だけが原因で故障しないとは限らないのです。
シャワー・お風呂・温泉
IPXテストのテスト条件外の中には、様々な水場周りが挙げられます。その一つとして、シャワーがあります。また、お風呂、温泉などは、常温でない水が使われている場所であるため、IPXレベルのテストに耐久できる保証が証明できません。
プール・海
IPXのテストは、常温の水道水への耐性が前提とされており、それ以外の環境には対応していません。そのため、塩素を含んでいるプールや塩分濃度が高い海などの水道水以外の液体の環境下に対する防水性能の保証ができません。
その他のテスト条件外のシチュエーション
上記以外ではジュースやアルコール性の飲料や消毒液、酸性の食品、石鹸、洗剤、香水、虫除け、ローション、日焼け止め、接着剤リムーバー、毛髪染料、溶剤などが保護の範囲対象外となっています。
また、IP6Xの防塵性能があるものでも、砂浜や泥への直置きが禁止されていたり、受話口やスピーカー、送話口などに砂の混入による故障のリスクを記載している電子機器もあるため、注意が必要となります。そして、これらの記載があるにもかかわらず、そのような環境で利用し故障した場合には機器が保証対象外になることもあります。
スマホの水没修理ならスマホ修理工房にお任せください
今回は、電子機器のIPX、防水性能と防塵性能、IPXで対応できない耐久性能について、解説いたしました。
スマホは精密機械の一つであり、大量の部品が中に内蔵されています。そのため水没の危険や粉塵にさらされる可能性を防ぐことが重要ですし、日ごろからスマートフォンの防水や防塵の性能がどの程度なのかを把握する必要があります。
スマホ修理工房では、格安SIMへの乗り換えから安心の修理保証期間3カ月の対応、モバイル保険の充実など、壊れたスマートフォンの修理を全面的にバックアップしています。
ぜひ、水没させたり、砂場や泥にまみれてスマートフォンが壊れてしまったりしたら、お気軽にスマホ修理工房までご相談ください。
店舗一覧・お問い合わせはこちらから